リビング横にはディテールにこだわりシャープに仕上げたオリジナルの鉄骨階段を設置。
線の細さが空間に溶け込んでいます。
スケルトン階段とすることで空間に圧迫感を与えないだけでなく、階段下部分も有効活用でき、空間をより広く使用することができます。
敷地は国道1号線から少し奥へ入って行った住宅地です。南東の角地で、北側は路地状の敷地になっているために3方向の採光が期待できます。西側は住宅です。
一緒に暮らす犬の為にリビングに土間を設けること、そこからウッドデッキへ出られること、外出時を考慮して玄関もそこに繋げること、リビングの南面に大開口を取ること、などが当初からの条件でした。
まず、車を2台駐車するスペースを北側に確保し、リビングとウッドデッキを南側に配置しました。デッキは道路との距離が近くなるので、思い切って小屋のようなポーチと板塀で囲い込みました。ポーチの寸法を抑え、天井を板張りにすることで来訪者へ親密な雰囲気を伝えています。玄関からリビングへは、土間及び板間のどちらからでもアプローチできる動線にしています。リビングは吹抜けの部分と、吹抜けでない部分をつくり、壁から3枚の建具を引き出してくると、別々の部屋として区切れるようになっています。キッチンのカウンターはステンレスと木を組み合わせており、ここで食事を取ります。キッチンの奥が水回りです。吹抜けの階段をあがったホールには造りつけの本棚を設け、猫が遊びながら上がって行けるようにランダムに丸く穴を空けています。本棚の奥に寝室があり、吹抜けとの間はガラスの欄間で仕切っています。南東の角がインナーバルコニーになっていて、製作のステンレスパイプが3列並ぶ大容量の物干しスペースです。
外観を特徴づける大きなFIX窓は内部に木製建具を付けていて、明るさと視線を調節できます。インナーバルコニーのコーナー部分に柱を設けないことで軽さと開放感を出すなど、角地であることを意識したデザインとしています。