豊川市 白雲町の家「庭木に寄り添いながら暮らす家」

建物の中央に中庭を設け、LDKのどこからでも眺められる設計としました。中庭には大きなウッドデッキを設け、バーベキューや花火、プール遊びなどをお子様と一緒に愉しめるようにしました。オリジナルの造作キッチンから延びるダイニングテーブルは、キッチン本体からわずかに角度を持たせることで、十分な動線スペースを確保するとともに、別空間としたダイニングとリビングに関係性を持たせています。中庭に植えられたヤマボウシは１年のなかでさまざまな姿を見せ、室内にいながらも季節を伝えてくれます。

ポーチ部分の外壁のレッドシダーの羽目板をそのまま室内に延長させた玄関ホール。米栂の天板を使ったオリジナルの製作家具で下足入れを作り、扉の取っ手には小さな真鍮のつまみをとりつけて上品、かつ可愛らしく仕上げました。ダイニングへと繋がる戸は製作建具とし、ガラス部分にシンプルな桟木を設えることで、開放感を感じさせつつも、２つの空間を緩く仕切りました。

リビングスペースは他スペースよりも天井の高さを変え、素材もラワン合板のオイル塗装とすることで、落ち着きのある雰囲気に演出しています。ソファー背面には、書籍やDVDを収納する本棚を設け、棚板は収納するもののサイズによって高さを調整できるよう、可動棚としました。その隣りにはパソコンコーナーとしても使用できる読書用のカウンターを取り付けました。

リビングはダイニングとクランクさせた位置に配置して、緩やかに２つの空間を区分けしました。壁を一部、斜めとすることで、区分けの具合を調整しています。中庭に面した大開口からの柔らかな光と、リビング南側に取り付けた地窓からの床面を這うような光が、リビングをしっとりとして上品な空間へと演出しています。テレビを置くためのカウンターは、板先をテーパーに加工することで、十分な強度を持たせながらもシャープな仕上がりとなりました。

素材感あふれるオリジナルの造作キッチンと、そこから延びる造り付けのダイニングテーブル。テーブル部分は、キッチン本体とわずかに角度を持たせることで、緩やかに区分けしたLDKを空間的に一つにまとめています。小さな高天井部分に補助的に取り付けたダウンライトによって、ダイニングテーブル上に取り付けたPH 3/2の小さめな灯りでも、空間全体をほど良く照らすことに成功しています。

ソファーの高さに合わせた長い地窓からは、中庭と対面に位置する小庭を覗くことができます。ソファーに腰かけると２つの庭に挟まれ、旗竿の住宅地とは思えない空間体験をすることができます。地窓からの風景は、ダウンフロアとした造作キッチンの調理スペースからも覗くことができ、複数の場所から愉しむことができます。

リビングとダイニングに挟まれた大きなウッドデッキは、床の延長として窓ガラス越しに２つの空間を繋げる役割があります。リビングからもダイニングからも出入りができるので、ビニールプールや日向ぼっこをする場所としても、バーベキューや晩酌を愉しむ場所としても使うことができます。高さを調整するために御影石の沓脱石を設置したので、お子様でも上がり降りがしやすくなっています。

中庭に向けた大開口によって内側に開いたリビングダイニング。床面積としてはコンパクトながら、視線の対角を長くとり、外部空間も取り込むことで大空間に感じる事ができます。杉の加工材であるエコアコールウッドを用いたウッドデッキは足ざわりもよく、お子様も裸足で駆け回ることができます。

前面道路からのアプローチは、駐車スペースからコンクリート平板を用いた飛び石を渡って玄関へと繋がります。アプローチは敢えてクランクさせ、合間にヤマボウシやアズキナシなどの庭木を配置することで道路から玄関への視線を調整するとともに、季節感のある魅力的な空間へと演出しています。アプローチの奥には、レッドシダーの羽目板で仕上げた玄関ポーチ。さらに四角く開けられた開口のその奥には、小庭に植えられたジューンベリーが来る人を出迎えます。