車椅子生活を想定し、トイレはあえて個室として区切らず洗面スペースと浴室の脱衣室を兼ねた空間としている。寝室の扉を開けるとこの空間と一体となり、室内全体の温度差もなくなり急激な温度変化による身体への悪影響を抑制します。今まで暮らしてきた家は家族を育むためのものでした。お子様が独立された今、その家は住み人にとって快適なものでしょうか。趣味を満喫することができる空間なのでしょうか。セカンドライフを考えた時、後の介助・介護のしやすさ。車椅子生活も視野に入れたプランニングが必要になります。自立した生活を送るためにも、身体にやさしい家づくりをお勧めします。
今回のお住まいは、高齢者の自立した生活をサポートし、昔ながらの生活様式を守りながら次の世代へと受け継いでいくというコンセプトのもと設計いたしました。お施主様が以前住んでいた家には土間があり、今回の住まいにも土間を取り入れたいという強い希望がありました。裏庭には畑をつくりいろいろな野菜を栽培してお漬物などたくさん作りたいと。畑と家を結ぶ土間。畑作業多少汚れていても内玄関までは気にすることなく入っていけます。そこには、ベンチが設けてあり、ちょこっと腰を下ろすもよし、ご近所の皆様とのコミュニケーションに活用するもよし。もう1つのこだわりが、いままで使用していた食器棚を持ち込みたいとのことでした。想いでのたくさん詰まった家具。なんとか納まらないかと考え、食器の収納個所を2ヶ所に設けることに。普段使いの食器はキッチンの近くへ。そうでないものは土間収納に食器棚ごと収納。このように注文住宅の良さは何と言っても自分のこだわりが形になること。これからのライフスタイルに合った最もふさわしい空間づくりができるのではないでしょうか。